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大腸カメラは毎年必要?最新研究から考える「適切な検査間隔」

大腸カメラは毎年必要?最新研究から考える「適切な検査間隔」|里村消化器内科・胃と大腸内視鏡クリニック

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2026年10月21日

「大腸カメラは一度受けたら、次はいつ受ければいいですか?」

診療をしていると、よくいただく質問です。
大腸がんは、早期にはほとんど症状がないことも多く、便潜血検査や大腸内視鏡検査(大腸カメラ)による早期発見が重要です。

一方で、大腸カメラは頻繁に受ければ受けるほど良い、というわけでもありません。

今回は、大腸カメラと大腸がん予防について報告された2つの大規模研究から、「誰に大腸カメラが重要なのか」「一度ポリープを切除したら次はいつ受けるべきなのか」を解説します。

大腸カメラを受けると大腸がんは減る?

2022年に医学誌『New England Journal of Medicine(NEJM)』に発表された「NordICC試験」では、55~64歳の約8万5000人を対象に、大腸内視鏡検査によるスクリーニングの効果が検討されました。
10年間追跡したところ、大腸がんを発症した割合は、

で、大腸カメラを案内されたグループでは大腸がんの発症が相対的に18%少ないという結果でした。
ただし、この研究には重要なポイントがあります。

そのため、この研究は「大腸カメラを受ければ大腸がんが18%減る」と証明した研究ではなく、「大腸カメラによる検診を案内する仕組みによって、大腸がんを減らせる」ことを示した研究と考えるのが正確です。
なお、10年時点では大腸がんによる死亡について明確な差は確認されておらず、より長期の追跡が必要です。

では、ポリープを取った後は3年ごとに大腸カメラが必要?

ここでもう一つ、2026年にNEJMに発表された研究が参考になります。
この研究では、将来の大腸がんリスクが比較的高い「高リスク腺腫」を切除した患者さんを対象として、

3年後に大腸カメラを受けるグループ
5年後に受けるグループ

を比較しました。
その結果、5年時点の大腸がん発症率は、

5年後に検査:0.77%
3年後に検査:0.82%

で、5年まで検査間隔を延ばしても、大腸がん発症について3年群に対する非劣性が示されました。

さらに、5年群では実施された大腸カメラの数が約半分(48.5%減少)になりました。

つまり、一度きちんと大腸カメラを行い、ポリープを完全に切除できていれば、必要以上に短い間隔で大腸カメラを繰り返さなくてもよい可能性が示されています。
ただし、この研究は本来10年間追跡する予定の研究の5年時点での中間解析です。現時点で「高リスク腺腫でも全員5年でよい」と結論づけることはできません。

「大腸カメラは何年おき?」は全員同じではありません

ここが最も大切なポイントです。
大腸カメラを受ける適切なタイミングは、

  • これまでに大腸カメラを受けたことがあるか

  • ポリープがあったか

  • ポリープの大きさ・数・病理結果

  • ポリープを完全に切除できたか

  • 前回の大腸カメラで大腸全体を十分観察できたか

などによって変わります。
今回の研究も、「誰でも5年間大腸カメラを受けなくてよい」という意味ではありません。

特にポリープを切除した方では、前回の大腸カメラの質やポリープの種類まで確認して、次の検査時期を決めることが重要です。

院長からひとこと💡

今回の2つの研究を合わせて考えると、大腸カメラについて大切なのは、

「とにかく何度も受けること」ではなく、
「必要な人が、適切なタイミングで、質の高い検査を受けること」

だと考えます。

特に、まだ一度も大腸カメラを受けたことがない方や、便潜血検査で陽性になった方は、まず一度しっかり大腸を確認することが重要です。
一方、すでに質の高い大腸カメラを受け、ポリープまで適切に切除されている方では、必要以上に短い間隔で検査を繰り返さなくてもよい可能性があります。
「自分は次にいつ大腸カメラを受ければいいのだろう?」と迷われている方は、前回の大腸カメラや病理検査の結果をもとに、適切な検査時期を相談することをおすすめします。

参考文献✏️
1. Bretthauer M, et al. Effect of Colonoscopy Screening on Risks of Colorectal Cancer and Related Death. N Engl J Med. 2022;387:1547-1556. DOI: 10.1056/NEJMoa2208375.

2. Jover R, Bretthauer M, et al. Colonoscopy Intervals and Colorectal Cancer Incidence after Adenoma Removal. N Engl J Med. 2026;395:1051-1061.

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