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消化器内科で行われる検査について

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2025年6月05日

消化器内科で行われる検査について

消化器内科では、食道・胃・腸・肝臓・膵臓などの消化器官に関するさまざまな病気や不調を診断・治療しています。消化器の臓器は身体の内部にあるため、見た目では異常が分かりづらく、症状だけで正確な原因を特定するのが難しいことも多いため、適切な検査が重要になります。
ここでは、消化器内科でよく行われる代表的な検査について、その目的や内容、注意点などをわかりやすくご紹介します。

1.血液検査

まず基本となるのが血液検査です。肝臓や膵臓の働き、炎症の有無、貧血の兆候、感染症の有無など、多岐にわたる情報を得ることができます。

肝機能(AST・ALT・γ-GTPなど)

肝炎や脂肪肝、肝硬変などのスクリーニングに有用。

膵酵素(アミラーゼなど)

膵炎などの疑いがある場合に評価します。

腫瘍マーカー(CEA、CA19-9など)

がんの診断や再発のチェックに使われることがあります。

ピロリ菌抗体検査

胃の不調や潰瘍の原因となるピロリ菌感染の有無を確認します。

簡便で体への負担も少なく、初診時や健康診断後の精密検査として非常に重要です。

2.便検査

便に含まれる血液や病原菌、ピロリ菌の抗原などを調べることで、消化器疾患のスクリーニングや診断に役立ちます。

便潜血検査

目に見えない微量の血液が便に混ざっていないか調べる検査で、大腸がんやポリープ、炎症の早期発見に有効です。

便中ピロリ抗原検査

胃の中にピロリ菌が存在しているかを確認します。

便培養検査

感染性腸炎が疑われるときに病原菌の種類を特定します。

便の検査は痛みもなく、自宅で簡単に採取できるため、定期的なチェックにも適しています。

3.内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)

小型カメラが付いた細い管を鼻(口)や肛門から挿入し、消化管の内部を直接観察することができます。

胃内視鏡検査(上部消化管内視鏡)

食道・胃・十二指腸の粘膜の状態を調べます。
胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、胃がんなどの診断に欠かせません。
鼻から挿入する経鼻内視鏡もあり、苦痛が軽減されます。
必要に応じて粘膜の一部を採取し、病理検査を行うことも可能です。

大腸内視鏡検査(下部消化管内視鏡)

肛門から挿入し、大腸全体を観察します。
大腸ポリープ、がん、潰瘍性大腸炎、クローン病などを診断します。
1cm以内の大腸ポリープは検査中にその場で切除可能です。
鎮静剤を使用し、リラックスした状態で検査を受けることができます。
検査前には腸内をきれいにするための下剤の服用が必要です。
早期発見・早期治療のために非常に重要な検査であり、症状がない場合でも定期的な受診が推奨されることがあります。

4.超音波検査

腹部エコー

超音波を用いて、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓などの腹部臓器を観察します。
脂肪肝、肝腫瘍、胆石、胆のうポリープ、膵腫瘍などの診断に活用されます。
身体への負担が少なく、痛みも放射線被ばくもありません。
妊娠中の方や高齢者でも安心して受けられる検査です。
食後は胆のうが収縮して見えにくくなるため、通常は空腹状態で検査を行います。
診断のみならず、治療の経過観察にも頻繁に使用される安全な検査です。

頸動脈エコー

超音波を用いて、首にある頸動脈の状態を観察します。
頸動脈の動脈硬化の程度や、血管の狭窄・プラーク(血管内の脂肪のかたまり)などを確認できます。
脳梗塞や心血管疾患のリスク評価にも役立ちます。
身体への負担が少なく、痛みも放射線被ばくもありません。
寝たままの姿勢で首にゼリーを塗って行うため、短時間で簡単に受けられます。
症状がなくても、生活習慣病や高血圧・高脂血症・糖尿病などがある方には、予防的な検査としても推奨されます。

5.呼気検査(尿素呼気試験)

胃の不調や胃がんのリスク要因とされるピロリ菌の感染を、呼気によって調べる検査です。
特殊な薬を服用したあとに吐き出す息を分析し、菌の有無を判定します。
身体の負担も少なく、精度も高いため、除菌治療の前後によく用いられます。

検査時間も短く、外来で簡単に受けられるため、多くの医療機関で実施されています。

6.レントゲン検査(X線検査)

体の外からX線をあてて、お腹の中の様子を画像で確認します。
お腹が張っている時や痛みがあるときに、腸のガスや便のたまり具合を確認できます。
腸の動きの悪さや詰まり(腸閉塞)のサインがないかを調べます。
ごくまれにですが、腸に穴があいた場合(穿孔)には空気が漏れている様子が映ることもあります。
痛みの原因を探るために、胆石や尿路結石などの石が見えることもあります。

痛みもなく、短時間でできる安心な検査です。気になる症状がある方や、治療の途中経過を確認するためにも活用されています。

まとめ

消化器内科で行われる検査は多岐にわたりますが、その多くは短時間で行えるものであり、患者さんの身体への負担も少なくなっています。気になる症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが、重大な病気の予防や早期発見につながります。

当院では、できるだけ苦痛の少ない検査環境を整え、丁寧で分かりやすい説明を心がけています。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。