2025年6月05日

突然の下痢や慢性的な下痢に悩まされると、「これは内科で診てもらえるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。下痢は内科で診てもらうことは可能ですが、特に消化器内科は、胃や腸など消化器全般の症状や病気を専門的に診療しています。下痢の診断と治療も消化器内科の重要な役割です。下痢は日常的によくある症状ですが、その原因はさまざまであり、時には重篤な病気のサインであることもあります。
ここでは、下痢の原因や症状、内科での診療内容、受診のタイミングについて詳しく解説します。下痢でお困りの方や家族に症状がある方は、ぜひ参考にしてください。
下痢とは?どんな症状?
下痢とは、通常よりも水分が多く、柔らかい便が頻繁に排出される状態を指します。通常は便の水分量は約60~70%ですが、下痢になると80%以上になることもあります。
下痢の種類
急性下痢
急に始まる下痢で、一般的に数日で治まります。食中毒やウイルス感染が原因となることが多いです。水分補給が基本となり、重症の場合は抗生物質や点滴治療が必要になります。
慢性下痢
4週間以上続く下痢で、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)、慢性感染症、薬剤性など多様な原因があります。原因により異なるため、大腸カメラなどの詳しい検査が必要です。
下痢の主な原因
下痢の原因は多岐にわたり、以下のようなものが挙げられます。
感染症
ウイルス(ロタウイルス、ノロウイルス)、細菌(サルモネラ、カンピロバクター)、寄生虫などによる感染が急性下痢の代表的な原因です。
食生活やストレス
脂っこい食事や刺激物、過度の飲酒、食べ過ぎなども下痢の原因になります。また精神的ストレスが腸の働きに影響し、下痢を引き起こすことも多いです。
薬剤の副作用
抗生物質や下剤、消炎鎮痛剤など、薬の副作用で腸内環境が乱れ下痢になる場合があります。
消化器の病気
炎症性腸疾患や過敏性腸症候群、腸のがん、膵臓や肝臓の疾患などが慢性的な下痢の原因となります。
下痢で内科を受診する目安・タイミング
以下のような症状がある場合は早めに内科、特に消化器内科を受診しましょう。
- 下痢が2週間以上続く
- 血便や黒色便が出る
- 激しい腹痛を伴う
- 38度以上の高熱がある
- 体重減少や脱水症状が見られる
- 夜間に下痢が続く
- 慢性的な病気がある(糖尿病、免疫不全など)
これらの症状は、重篤な病気の可能性や合併症を引き起こすリスクがあるため、専門的な診断が必要です。
下痢の予防と日常生活の注意点
食生活の改善
脂っこいものや刺激物、加工食品を控え、バランスの良い食事を心がけましょう。食物繊維は適度に摂取し、腸内環境を整えることが重要です。
水分補給を十分に行う
下痢で失われる水分と電解質(ナトリウムとカリウムなど)を補うことが重要です。市販の経口補水液やスポーツドリンクを活用してください。
衛生管理
手洗いを徹底し、食中毒のリスクを減らすことが下痢予防につながります。
ストレス対策
規則正しい生活と適度な運動、ストレス管理も腸の健康に影響します。
市販の下痢止め薬の使用は慎重に
細菌やウイルス感染による下痢の場合、症状を無理に止めると悪化する恐れがあります。自己判断で使わず、医師の指示に従いましょう。
当クリニックでの診療内容
- 問診と診察
症状の期間、頻度、便の性状(血便や粘液の有無)、腹痛の有無、発熱などを詳しくお聞きします。 - 検査
便検査、血液検査、腹部超音波検査、必要に応じて胃カメラや大腸内視鏡検査を行い、原因を特定します。 - 治療
感染症には抗生物質や整腸剤、炎症性腸疾患には専門的な治療を、過敏性腸症候群には生活指導や薬物療法を行います。
まとめ
下痢は多くの人が経験する症状ですが、その原因はさまざまで、時には専門的な治療が必要なこともあります。内科、特に消化器内科では、問診から検査、治療まで一貫して対応可能です。早めの受診で適切な診断と治療を受け、症状の改善を目指しましょう。 当院では、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を行っています。下痢やお腹の不調でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。