2026年4月04日
こんにちは。院長の稲田です。
近年の研究で、肥満は生活習慣病だけでなく「がん」のリスクにも関係していることが明らかになっています。
特に消化器内科で重要なのが
-
大腸がん
-
食道がん(食道腺がん)
-
胃がん
-
肝臓がん
-
膵臓がん
などの消化器がんです。
2026年に医学誌JAMAで発表されたレビューでは、肥満は多くのがんの重要な危険因子であり、
米国では約10%のがんが肥満と関連すると推定されています。
この記事では、内視鏡専門医の立場から
-
肥満と大腸がんの関係
-
なぜ肥満でがんが増えるのか
-
体重をどれくらい減らせばよいのか
-
大腸がん予防のためにできること
をわかりやすく解説します。
肥満と関連がある主ながん
研究では、肥満と関連があるがんとして次のものが知られています。
消化器がん
-
大腸がん
-
食道腺がん
-
胃がん
-
肝臓がん
-
膵臓がん
-
胆のうがん
その他
-
乳がん(閉経後)
-
子宮体がん
-
卵巣がん
-
腎臓がん
-
甲状腺がん
-
前立腺がん
この中でも特に消化器内科で重要なのが「大腸がん」です。
肥満は大腸ポリープや進行腺腫の発生とも関連することがわかっています。
なぜ肥満でがんが増えるのか
肥満になると体の中では次のような変化が起きます。
① 慢性炎症
脂肪組織は炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)を分泌します。
肥満ではこれらが増え、体が慢性的な炎症状態になります。
この炎症がDNA損傷や腫瘍の増殖を促進すると考えられています。
② ホルモンバランスの変化
脂肪組織では女性ホルモン(エストロゲン)が産生されます。
肥満ではエストロゲンやレプチンが増え、がん細胞の増殖を促す可能性があります。
③インスリン抵抗性
肥満ではインスリンが過剰になり、IGF-1などの成長因子が増えます。
これが細胞増殖を刺激し、大腸がんなどの発生に関係すると考えられています。
④免疫機能の低下
肥満ではNK細胞やT細胞などの抗腫瘍免疫が低下することが知られています。
体重を減らすとがんリスクは下がる?
研究では、体重減少によって肥満関連がんの発症が減る可能性が示されています。
ただし重要なのは「減量量」です。
少し痩せるだけではなく、
■体重の約10%以上の減量
が、がん予防の観点で重要とされています。
例えば
80kg → 72kg
70kg → 63kg
くらいの減量が一つの目安になります。
肥満と大腸がんの関係
肥満では次のリスクが上がることが知られています。
-
大腸ポリープ
-
進行腺腫
-
大腸がん
特に重要なのが「内臓脂肪」です。
お腹周りの脂肪が多い人ほど、大腸がんのリスクが高いと報告されています。
40歳を過ぎたら大腸カメラを
大腸がんの多くは「ポリープ」から発生します。
そのためポリープの段階で発見して切除すれば、大腸がんを予防できます。
次の方は一度大腸カメラ検査をおすすめします。
-
40歳以上
-
肥満やメタボがある
-
便潜血検査で陽性
-
家族に大腸がんがいる
-
便秘や血便などの症状がある
当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っています。
まとめ
肥満は生活習慣病だけでなく、がんのリスクにも関係します。
特に大腸がんや食道がんなどの消化器がんでは重要な危険因子です。
がん予防のためには
■ 体重管理
■ 食生活の改善
■ 定期的な内視鏡検査
が大切です。
気になる症状や不安がある方は、お気軽にご相談ください。
